わかもののまちサミット2024@金沢を開催しました。

2024年11月10日、金沢商工会議所にて「わかもののまちサミット2024」が開催されました。全国から集まった高校生・大学生、自治体関係者、NPO職員、研究者など多様な参加者が、若者主体のまちづくりについて熱心に議論を交わした一日をレポートします。

イベント概要

このサミットは、様々な背景から「わかもののまちづくり」に取り組む実践者同士が学び合い、全国にその輪を広げることを目的として開催されました。朝10時から夕方17時まで、充実したプログラムが展開されました。

全体会:「”参加の場”としての若者の居場所」

三つの実践から見える居場所の可能性

コーディネーターの花輪由樹さん(金沢大学)のもと、三つの異なるアプローチによる居場所づくりの実践が紹介されました。

拠点型:ユースセンター金沢ジュウバコの取り組み 高山大生さん(一般社団法人第3職員室)からは、若者が主体的に場を創り上げる拠点型の実践が報告されました。ジュウバコでは利用者自身が家具やロゴの選定にまで関わり、「楽しい」という気持ちから始まって次第に社会的意義を理解し、地域社会への参画意識が芽生えるという循環が生まれています。

移動型:Youth Standの挑戦 齋藤颯汰さん(京都市ユースサービス協会)は、ユースセンターがない地域でも若者にアプローチする移動型の取り組みを紹介。「いつでも、どこでも、だれでも」をスローガンに、地域イベントとの連携を強化しながらリピーターを増やす工夫を共有しました。

イベント型:Cleanup & Coffee Clubの実践 高田将吾さん(Cleanup & Coffee Club)は、ゴミ拾いとコーヒータイムを組み合わせたシンプルながら効果的な活動を紹介。活動後の交流の場が重要で、参加者が「楽しい」と感じることが継続的な参画につながると強調しました。

「入りやすさ」という共通課題

ディスカッションでは、どの形態においても居場所の「入りやすさ」をいかに確保するかが重要なテーマとして浮かび上がりました。強制的ではなく自然な形でリピーターを増やし、活動の意義を伝えつつも参加者の「楽しい」という瞬間を大切にすることの重要性が確認されました。

分科会報告

第1分科会:「災害復興とこども・若者」

能登半島地震を契機として、災害復興における子ども・若者の支援活動について振り返りました。

宮田樹さん(金沢大学4年生)は輪島中学校での学習支援体験を通じて、若者の力が地域復興に繋がる可能性を実感したと報告。坂本悠輔さん(すずのとうだい代表)は珠洲市での復興支援で、楽しみながら参加できるプログラムの重要性を強調しました。

飯村俊祐さん(NPO法人Chance For All)からは、災害時も平時も子どもの遊び場を提供する「プレイカー」の活動が紹介され、遊びを通じた心のケアとコミュニティ形成の価値が共有されました。

第2分科会:「若者が参加したくなるプログラムデザインとは?」

若者の多忙化が進む中、魅力的なプログラムづくりについて議論しました。

東海村わかもの会議の千葉大輔さんは、若者が自分たちのやりたいことを実現できる場の提供について、ジュウバコの宮下珊瑚さんは不登校経験者としての視点から居心地の良さと挑戦機会の大切さについて語りました。

参加者を増やすポイントとして、「やりたいことを支援してもらえる柔軟な環境」「否定されない安心感」「学校や行政との連携」などが重要だとの結論に至りました。

第3分科会:「学都のこれまでとこれから – 金沢と松本を事例に -」

「学都」としてのまちづくりを進める金沢市と松本市の取り組みが紹介されました。

小山雄聖さん(松本市役所)は地域活動と大学の連携、「松本学都」のブランドづくりについて、安江一智さん(金沢市役所)は「学生のまち推進条例」による若者の意見反映の仕組みについて報告しました。

「学生」と「若者」の違いを認識し、より広い視野での参画を呼びかけることの重要性が確認されました。

第4分科会:「若者が関わりたい!戻ってきたい!まちの条件」

地方都市の人口減少課題に対して、関係人口拡大の視点から議論が行われました。

丸谷耕太さん(金沢大学准教授)は県内定住促進と大都市での挑戦支援の両立について、佐竹宏平さん(株式会社Root-N)は視野を広げる国際活動の重要性について、中西祐樹さん(Labore株式会社)は泊まれる図書館「寄処」での交流創出について発表しました。

若者が地域に関わり戻りたくなるには、「関与できる場」「自然な交流」「挑戦を支える仕組み」が必要との結論に達しました。

次年度への展望

クロージングでは参加者同士の感想共有の後、来年度開催地である茨城県東海村の村長から次年度に向けての挨拶があり、継続的な取り組みへの意欲が示されました。

まとめ

今回のサミットを通じて、若者の居場所は単なる「安心して過ごせる場所」を超えて、地域社会への「参加の場」としての役割が重要であることが再確認されました。拠点型、移動型、イベント型それぞれの特長を活かし、若者が主体的に関わることのできる柔軟なアプローチが求められています。

災害復興から日常的なまちづくりまで、様々な場面で若者の力が地域の未来を切り拓く可能性を秘めていることが、この一日の議論を通じて明らかになりました。全国各地での実践がさらに広がり、若者と地域が協働する新たなまちづくりのモデルが生まれることを期待しています。